今週も相変わらず読書の毎日。図書館に行って、読みたい本をあさってくる。

140228-1.jpg200年前に、20歳前後のガウスが書いた唯一の書物『ガウス整数論』。読めるところは多くないが、手元に置きたい一冊。暇な時に読めば、アイデアがわいてくる気がするから。対して、約250年前の、オイラー(Leonhard Euler)が書いた『オイラーの無限解析』は全く面白くない。さっさと返すべきものだ。

戦前・戦中の日本を代表する数学者高木氏(開発に関わった暗号がアメリカに解読されたが。)『初等整数論講義』は評判通りの名著。それよりも分かりやすいのが高名な数学者ディリクレ、デデキントの『整数論講義』。自分の数学力では後者のほうが楽しい。どちらも読破すれば仕事に活かせるかも。

復習のつもりで数時間で読んだのは、吉田武の『オイラーの贈物』(東海大学出版会、2010年)。書名にオイラーと書いたものの、高校数学の復習という内容。とても分かりやすく、目からうろこ的なところは大いにあった。勉強しない今日の社会だと、一般人に迷いなくお薦めできる数学本だ。ここで、ためになりそうな箇所をメモしておく。

1)二項展開の係数(パスカルの三角形)を奇数・偶数で色分けすると、また相似三角形(フラクタル図形)になる。

2)1の4乗根(x4=1)は ±1, ±i だが、これら4つの根は群をなしている。

3)数値計算で減算すると、桁落ちがおきる。例、1.2345678 – 1.234567 = 0.0000008 と有効数字が1桁になってしまう。分数同士の減算なら、桁落ちを避ける方法として、通分して、分子分母を10n乗してから除算するとよい。例、355/113 – 333/106 = 1/11978 = (100000/11978) x (1/100000) = 8.3486391 x 10-5

4)2次方程式について、根の公式は一般的に、x = (-b±√(b2-4ac)) / (2a) だが、分子の減算によって桁落ちが起きる場合、x = (2c) / (-b±√(b2-4ac)) を使ってよい。例、方程式 x2 – 10000.001x + 1 = 0 の解は、前者の公式によると x1 = 999.9995, x2 = 0.00105、後者の公式を使うと x1 = 952.38095, x2 = 0.001 になる。最も精度のよい解は、それぞれの片方ずつの組合せ、x1 = 999.9995, x2 = 0.001 である。こういう桁落ち防止策は勿論、数学的発想ではなく、工学的考え方によるものだ。数学者に言っても理解してもらえない。

5)2の平方根を xn+1 = (1/2) (xn + 2 / xn) で再帰的に求めることができる。ただし、x0 = 2。実際に計算した結果としては、x1 = 1.5, x2 = 1.4166666, x3 = 1.4142156, x4 = 1.4142135。x34千年前のバビロニア時代の√2の精度に匹敵し、x4 は8桁までが正しい。

6)ド・ロピタルの定理 lim f(x) / g(x) = lim f'(x) / g'(x) = lim f”(x) / g”(x) = …。分数形式で表される有理関数 f(x) / g(x) の極限は、とくに筆記試験では不定形(0/0 や ∞/∞)で与えられるものがほとんど。解決策として、分子、分母をそれぞれ、不定形にならなくなるまで、何回も微分することだ。例、limx=0 = sin(x) / x に x = 0 を代入すると、0 / 0 になるので、答えが定まらない。そこで、分子 sin(x) を微分してcos(x) に、分母 x を微分して1 にすれば、cos(x) / 1 になり、x = 0 を代入すると、1/1 = 1 という正解が出る。勿論、万能ではないが、定理によって簡単に解ける極限の問題が大分増えることは間違いない。

<追加>有理関数に見えなくても、無理やり変換して持ち込む方法もある。例1、limx=∞ x e-x = lim x / ex = lim 1 / ex = 0 。例2、lim x=0 (1+x) 1/x に対して、まず対数を取り、lim x=0 log ((1+x)1/x) = lim log(1+x) / x = lim 1/(1+x) = 1 となり、対数形式から元に戻し、正解 e1 = e を得る。

7)ルジャンドル(Legendre)の多項式。

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8)エルミート(Hermite)の多項式。

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9)成績ベクトル空間。3教科なら3次元、5教科なら5次元のベクトルで点数を表し、成績ベクトルの大きさ、つまり、各教科の2乗和の平方根で比較する。要するに、算術平均よりも、幾何平均で評価するという考え方。例、4教科それぞれの点数が、100, 85, 80, 84 なら、ベクトルの大きさは √(1002+852+802+842) = 175。対して、もうひとりの点数が 70, 90, 90, 95 なら、√(702+902+902+952) = 174、前者の勝ちだ。

10)√2、log102、e、π が無理数である証明。

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