ユークリッド原論の第7巻、命題1から見ていく。

<命題1>
 二つの不等な数が定められ、常に大きい数から小さい数が引き去られるとき、もし単位が残されるまで、残された数が自分の前の数を割りきらないならば、最初の2数は互いに素であろう。

いわゆる「ユークリッドの互除法」の登場。2数が互いに素かどうかの判定方法でもある。

たとえば、12と9について考える。15から12を引き、残りは3になる。12から3を4回引けば、1が残らないので、12と9とは互いに素でない。

互いに素の例として、9と11について考える。11から9を引き、残りは2となる。つぎに、9から2を4回引くと、1が最後に残る。従って、9と11は互いに素である。

減算のみで計算していて、除算を全く必要としないところは素晴らしい。

<命題2>
 互いに素でない2数が与えられたとき、それらの最大公約数を見いだすこと。

ユーグリッドの互除法による最大公約数の求め方を披露している。数式ではなく、言葉で証明しているので、とてもわかにくいが、今日でも、最大公約数を導き出す最速アルゴリズムとしてコンピュータに広く利用されている。2千年来全く進歩していないわけだ。

<命題3>
 互いに素でない三つの数が与えられたとき、それらの最大公約数を見いだすこと。

3つの数をa, b, c とすると、命題で主張するのは、aとbとの最大公約数をxとするなら、xとcとの最大公約数が3数の最大公約数であることだ。

<命題4>
 すべて小さい数は大きい数の約数かまたは約数和である。

定義3(約数とは)、定義4(約数和とは)からすると自明のことのように思うが、しっかりと証明している。思うには、割り切れないということ以上に、約数和(=約数の和)の主張が大事だと伝えたかったのだろう。

無理数の存在がすでに「原論」の時代では知られたので、無理数でないことを約数和の証明を通して主張したのだと理解する。

<命題5~命題20>
 自明のように思われるので、省略。

<命題21>互いに素である2数はそれらと同じ比をもつ2数のうち最小である。
<命題22>同じ比をもつ2数のうち最小の数は互いに素である。

2数と2数との比較をやっているところをみると、とても危険だ。最小とはなにか、定義せずに使っているので、厳密さが欠けていると言わざるをえない。(2,11)と(11,2)は比例していないので、比較できないと言われればそれまでだが。

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