徹底的に日本と対抗するようになった。5月8日に、人民日報に馬関条約と釣魚島問題を論じるという文章が掲載され、沖縄の帰属問題についてまで論じ、本丸攻めに動いてきた。

人民日報は中国共産党の機関紙で、そのウェブサイトは中国語版日本語版等十数種類の言語で運用している。日本の各新聞社のサイトと見比べてわかるように、内容の豊富さに関しては大きな差があろう。なお、人民日報の電子版自体もネット上に公開している。新聞を無料で公開することは産経新聞以外に日本では珍しい。

さて、張海鵬氏(中国社会科学院学部委員)、李国強氏(中国社会科学院中国辺彊史地研究センター研究員)によって書かれたその文章は、既に公開した学術論文をまとめたもので、言論の自由、学問の自由と標榜する国際社会の論理から見れば、掲載されて特段に驚くことにならないはず。

問題は人民日報だからだ。共産党の方針を示したものではないか、というのが日本側の反応。官房長官からマスメディアまで、その論文を攻撃している。

沖縄は明治10年頃までが琉球王国の一部。その王都であった首里の首里城を訪れると中国明清政府との繋がりがよく分かる。沖縄だけは日本の他の地方と違うという印象もそういう文化的背景があったからだろう。

官房長官は沖縄が日本の固有領土と言っている。日本政府の見解だろう。しかし、歴史を少しでも勉強すれば、沖縄は琉球国の領土であることがすぐにわかる。反中の一環としてチベット問題を持ちだすと同様、中国も沖縄問題を使い始めた。「フリー琉球」と叫ぶようになるだろう。

戦争賠償問題もいま、中国でクローズアップされた。蒋介石・毛沢東が戦争賠償を放棄すると宣言したが、日本が侵略戦争をしていないというなら、中国も戦争賠償を請求していいという論法だ。中国各地の裁判所で、特定の日本人やその子孫、特定の日本の会社を狙った戦争賠償訴訟がこれから噴出するだろう。

異なる声や異なる主張が一党独裁の体制では外部に聞かれないので、案外外部からは対処しやすかった点は忘れがち。本日の読売新聞では毛沢東が「沖縄は日本のもの」と言っていたとか、と言っているが、民主主義国家ならば、それは一個人の意見であって、中国政府の主張でないと理解すべきだろう。

中国が民主主義国家になれば、いま以上に日本との関係が悪くなると予想しているのが本人の持論。自国の利益を最大限に追求するからだ。

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