元駐日大使王毅氏が中国の外交部長に選出されて、日本のマスコミが一様に喜んでいる。日本のことがわかっているから、日本に有利だという論調だ。

確かに、王氏はテレビを観る限り、日本語が堪能だし、日本の政官界とのパイプが太い。しかし、知日派は親日派か、といわれると個人的には疑問だ。

数日前の読売新聞では、中国支局長さんが中国政府に異議を申し立てた中国人二人との座談会の内容が披露されていた。しかし、とくに尖閣諸島に関する質問に、その二人でさえ日本の味方をしていなかった。まして王氏のような、一国の外交全般に責任を負う立場のひとが、日本の利益よりも、自国の利益を最大限に考えているはず。自国の利益を最大限にしつつ、相手国との関係を良好に保つ、そういう立場で外交をやっていくはず。

となると、日本からこうすれば中国にも大きな利益があるという助け舟を出さないといけないと思う。いまのように、反中嫌中の報道をやり、中国が日本の敵だというイメージを日本国民に植えつけると、絶対に親日行動をしてくれないだろう。

中国は戦略的に時間が経てば経てるほど有利。いますぐ崩壊するとか、いやすでに崩壊したとか、そういう願望は別にして、10年後、20年後の世界を展望するならば、このまま経済発展していけば、中国はますます強大になっていく。尖閣諸島のことは10年後、20年後ならば、中国にもっと有利になる可能性が高い。

しかも、知日であればあるほど、日本の問題点がわかっている。石平さんのような極端人物はいるが、大多数の知日派はそれほど日本の味方をしない。日本は環境が綺麗とか、商品の質がいいとか、そういう表面的なものではなく、日本社会の本質が肌で知った知日派が中国の外交実権を握ったいま、日本に対し、様々な工作をしてくるのが個人の予測だ。

60、70年代のように、ひとりの判断で物事が決まる毛沢東・周恩来時代は、中国との外交がある意味でやりやすかった。しかし、いまの中国では、日本からは相変わらず独裁体制というが、トップ級リーダー間の力関係が大変複雑。知日派以上に知米派がいるし、自国の利益を最優先に考えるリーダーがほとんど。

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